京都市内中心の北西部、京都大学キャンパス東側の吉田山(標高105メートル)。
吉田神社は清和天皇の貞観元年(西暦859年)、側近であった藤原山陰(ふじわらのやまかげ)が、平安京の守護神として都の東北「鬼門」に位置する吉田山に創建した。
吉田神社は別の機会に紹介するが、吉田山の境内にはたくさんの末社が置かれており、その中に、
お菓子の菓祖神社(かそじんじゃ)と料理飲食の山陰神社(やまかげじんじゃ)がある
お菓子の菓祖神社(かそじんじゃ)
昭和32年11月、京都菓子業界の総意を受けて鎮祭された新しい神社。御祭神は田道間守命(たじまのもりのみこと)、林浄因命(はやしじょういんのみこと)
田道間守命は第11代垂仁天皇の命を受け常世の国(中国王朝)の非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)を日本にもたらしたとされ、非時香菓とは橘(みかん)のこととされている。(聖徳太子が生まれた飛鳥・橘寺にも田道間守命の伝承が残っている)
林浄因命は初めて飴入りの饅頭を作り広めたと書かれている。飴入りとは「あんこ」のこと。
最近はパティシエの神社とも云われるようだ。
ここにお参りする前に、出町ふたば(石塔の写真上段左端)で名物「豆餅」を朝から行列して買ってきたばかりだった(下鴨神社近く)
料理飲食の山陰神社(やまかげじんじゃ)
吉田神社境内から見て右側の鳥居をくぐると、京都市内が一望できる参詣道。
進むと山陰神社。昭和34年5月鎮祭。
吉田神社創建の藤原山陰は「我が国のあらゆる食べ物を調理調味づけられた始祖であり、古来包丁の祖、料理飲食の祖神」と書かれている。
(写真を間違って消してしまったが)こちらの石塔には京料理の銘店がズラリだった。
吉田山山頂、茂庵(もあん)で和食ランチ
さらに10分ほど山頂に向かって進むと、途中、竹中稲荷の鳥居をくぐって山頂公園、そこから少し先に茂庵がある。
景色、建物、料理、店員さんの応対、いずれも文句のつけようが無し。ランチ価格は1600円そこそこ。吉田神社にお参りの際はおすすめのカフェ。さすが菓子や料理の神社の「奥」にあるだけのことはある。口コミサイトで500件を超える評価で平均4点以上というのは、あまり見ない。
(参考:古社では、最初の拝所から一番遠い所を奥津、奥宮などという)
店員さんにお聞きすると、建物は約100年、お店は20年という。
特にデザートのキンカンと黒豆のゼリー、逸品でした。
吉田神社(西側)と反対の東側から行く方はご注意。ナビのダイレクト設定、さらにグーグルマップでも行き着けませんでした。ナビは山頂は苦手のようです。麓のパーキングに車を停めてそこから(ほぼ)山歩きになります(10~15分)。笑