ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【三囲神社(2)】三柱鳥居が物語る三井家と秦氏の「点と線」

墨田区向島 #三囲神社。境内の #三柱鳥居(三角石鳥居)は、旧三井家にあったものをこちらに移設。京都 #太秦 #木島坐天照御魂神社(木島神社、蚕の社)の同型をモデルに造られました

目次

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三囲神社(東京都墨田区向島

昨年、一度、来てはいたんですが、付近の駐車場がどこも満杯で、参拝を断念していました(三囲神社には駐車場はありません)

今年は早朝に訪れ、駐車場も空いており、無事参拝。

三囲神社(みめぐりじんじゃ)拝殿

三囲神社

三囲神社の三柱鳥居

見てみたいと思っていた、境内の三柱鳥居(三角石鳥居)。

三囲神社 境内の三柱鳥居

この鳥居は元々、旧三井邸にありましたが、こちらに移設されたそうです。

三囲神社 三柱鳥居(三角石鳥居)

珍しい形の鳥居は、京都・太秦(うずまさ)の木島坐天照御魂神社(木島神社、蚕の社)をモデルに造られました。

京都・太秦 木島坐天照御魂神社(木島神社、蚕の社)の御神紋は双葉葵

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木島神社は蚕の社(かいこのやしろ)とも云われ、京都・西陣の呉服を商った三井家が深く関わっている神社で、木島の三柱鳥居は、三井家の信仰のシンボルでもあったのでしょう。

(三井家は六角氏に仕えた近江の武家で、信長公の近江攻めで主君を失い、伊勢松阪で、良妻賢母の殊法の下、町人・商家としてスタートし、息子の三井高利の代に呉服商として江戸に進出。三井家のかんたんな歴史は以下の記事)

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三囲神社境内のお稲荷さん

三囲神社は宇迦御魂之命(ウカノミタマ)が御祭神ですから、稲荷の社ですが、境内には「白狐祠」「富士見稲荷」「三園神社」ほか、お稲荷さんの社が五社ほどありました。

白狐祠

白狐と老翁老嫗(ろうおうろうう、おジイちゃんちゃんとおバアちゃん)の案内板を読んでますと、全国に残る山の神と田んぼと狐の話

…稲荷信仰の原型を思い起こさせてくれます。

老翁老嫗(ろうおうろうう)の石像と白狐譚

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なお、先に紹介した京都・太秦の木島神社境内にも、たくさんの稲荷の社・祠があります。

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■稲荷信仰は渡来の秦氏が元(伏見稲荷)で、主に後期古墳時代に、初期的に拡散しました(古墳墳頂や石室に稲荷社が鎮座する例は、意外に多い)

■近江(琵琶湖東〜南湖畔。依智秦氏、近江秦氏)は秦氏が拠点とした地のひとつ

■織物(呉服という言葉)は秦氏がもたらした

これらの点を繋げてみると(平安時代、近江に始まったと伝えられる)三井家は、秦氏の血脈に関係していると考えてよいかと思っています。

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