ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【天照大神高座神社①】アマテラスの名を冠する日本唯一の謎多き古社

はじめに

アマテラスの名を冠する全国唯一の #天照大神高座神社。#雄略天皇古墳時代伊勢神宮外宮周辺から遷座してきたと伝わります。鎮座地(高安山山麓の弁天山)は古来より #太陽祭祀 の聖地とも。御祭神も含め謎多き神社

目次

本文

天照大神高座神社(あまてらすおおみかみたかくらじんじゃ)

天照大神高座神社(あまてらすおおみかみたかくらじんじゃ)

(34.612731001525844, 135.64016555850338)/大阪府八尾市教興寺550番地/岩戸神社(岩矢弁財天)と境内隣接。専用駐車場あり。近鉄大阪線恩智駅・信貴山口駅より各約2キロ(徒歩30分)専用駐車場あり

あるべき名が見えない御祭神の謎

天照大神高座神社(あまてらすおおみかみたかくらじんじゃ)左側は岩戸神社(岩谷弁財天)

御祭神:天照大神(あまてらすおおみかみ)、高皇産霊大神(たかみむすびおおかみ)

上記の御祭神は当社栞より。

Wikiには「別に伊勢津彦命・伊勢津姫命を祭神とする」と紹介されていますが、参拝した限り、二柱の神名はなく不明。

『478年(雄略天皇期)、伊勢国山田原(後述)から当地へ天照大神高座神社が遷座した』との社伝があり、二柱は、この遷座に関連することかも知れません。

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隣接する岩戸神社の案内(八尾市教育委員会、当社の位置の鳥居そば)には『式内社で春日戸神(かすかべのかみ)と称した天照大神高座神社』と紹介されていますが、春日戸神とは天児屋根命(あめのこやねのみこと)のこと。こちらも参拝では神名を確認できず。

こちらは、延喜式(905年)に『河内国高安郡天照高座神社ニ座、元春日戸神と号す』と書かれた内容に由来するもの。

天照大神高座神社一の鳥居。そばの岩戸神社の案内

延喜式で明らかな通り、平安時代から 天照大神 を冠した社であり、また、天照大神を称する神社は、全国でも当社だけです。

天照大神高座神社

いずれにしても、当社の御祭神の混乱は、創建から神仏混交時代も含む、千年以上の歴史の紆余曲折をあらわしており、少なくとも、現在の御祭神(天照大神)は明治の神仏分離以降、いわば、国策的に定められたと見た方がよいと考えています。

ちなみに、天児屋根命は、海人族・安曇氏(あどし、あずみし)、また、中臣・藤原氏(鹿島・春日)の祖神であり、石清水八幡宮の社伝・八幡愚童訓には北九州・志賀島の安曇磯良(いそら)と異名同体とされる、日本古代史謎解きの最大級のキーパーソンです。

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天照大神高座神社 境内

天照大神高座神社 狛犬さん

天照大神高座神社 狛犬さん

天照大神高座神社 拝殿。後ろに見えるのが御本殿

見たところ、拝殿と御本殿の向きは少し違っていますね。

栞より)古代から(天照大神高座神社が鎮座する)弁天山は太陽祭祀の聖地でありました。御祭神の天照大神は伊勢國山田原、現在の伊勢神宮外宮周辺に御鎮座ありましたが、雄略天皇23年(478年)に当地に御遷座になられたと伝えられています。

天照大神高座神社