ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【岩根沢三山神社】太々神楽 木面(1)サルタヒコ、ウガノミタマ、オオクニヌシ

まとめ

明治の始めのころから演じられてきた #岩根沢太々神楽。#日本神話 の有名どころが登場します。前半は #猿田彦命、#倉稲魂命、#大国主命。木面を見て当ててみてください

目次

本文

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岩根沢三山神社

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岩根沢三山神社 太々神楽 木面

岩根沢太々神楽(いわねざわだいだいかぐら)

全国各地の神社には太々神楽がありますが、岩根沢三山神社では毎年9月の第2日曜日(本日)の例大祭で執り行われます。

山形行きがもう1週遅ければ、チャンスがあったかも知れませんがこれも縁。いつか見学に行きたいと思います。

パンフレット等より)明治の初年ごろ、福島県伊達地方(現福島県郡山市)から伝わったと言われています。当初は、大神楽三十六座(面をつけて舞う)小神楽十二座(面をつけないで舞う)合わせて四十八座伝わったと言われていますが、長い継承の年月のなかで、特に、戦中戦後の混乱期もあり、現在は十座のみ演じることができます。岩根沢太々神楽保存会が平成25年11月3日に、伊勢神宮で執り行われた「第62回神宮式年遷宮奉祝奉納行事」で七つの舞を奉納しました

猿田彦命(サルタヒコ)はどこにいる?

さてここでクイズです。猿田彦(サルタヒコ)の木面はどれでしょうか?

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岩根沢三山神社 太々神楽 木面

お猿さんの面がありますが、あれは猿面。

記紀天孫降臨神話で、天武が地上に降り立つ時に道案内をしたのが猿田彦命国津神 ≒ 先住者の神)。

天の八衢(やちまた、道がいくつにもわかれた山奥の道)に立ち、行く先の葦原中国(あしはらのなかつくに)を照らす神がいて、その鼻の長さは七咫(ななあた)、背(そびら)の長さ七尺(ななさか)、目は八咫鏡(やたのかがみ)、または赤酸醤(あかかがち)のように照り輝いていた、と語られます。

面妖な姿もさることながら、長い鼻(鼻高)が特徴ですから、正解は、写真下段・中央の木面です。

ご覧のように、天狗の原型が猿田彦であることは一目瞭然ですね。

やちまたと猿田彦の、いわゆる道標信仰は、熊野、修験道をはじめ、道祖神や庚申さんの信仰につながってゆきます。

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岩根沢三山神社 太々神楽のひとつ 猿田彦舞(天孫降臨)パンフレットより

倉稲魂命(ウガノミタマ)はどれ?

では2問目。古事記では「宇迦之御魂」ともかきます。どこにいるでしょうか?

答えの前に、Wikiでウガノミタマを調べていて、面白いものを見つけました。いろいろ妄想を巡らせていたのですが衝撃の発見!

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滋賀県守山市・小津神社所蔵 木造宇迦乃御魂命坐像(重要文化財平安時代の作

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岩根沢三山神社 山門横の姥神様

岩根沢三山神社の御祭神のひとりが倉稲魂命(うがのみたまのみこと、出羽)。まさか、山門にいきなり御祭神像!?

しかし山門の石造は姥神(うばがみ)様と云われています。

ウガノミタマ - ウガタマ? - ウバタマ? - ウバサマ? - ウバガミサマ?

まだ少し調べないとわかりません。今後の宿題ですね。

ウガノミタマはご存知の方も多いと思いますが、お稲荷さんの御祭神でもありますので正解はキツネ面です。

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岩根沢三山神社 太々神楽 宇賀舞(五穀豊穣)

大国主命オオクニヌシ)はどれ?

調子に乗って次!さて、出雲神話の主役・大国主命のお面はどれでしょうか?

男前で女性にもてる八千矛(ヤチホコ)、当代きっての醜男(ぶおとこ)をイメージさせる葦原醜男(アシハラノシコオ)、七福神の大国さんのふくよかなお顔など、その容貌には諸説ありますが、

さて。。。

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太々神楽 木面 奉納絵馬

オオクニヌシ。正解は、鼻毛びろーんのひょうきんなお顔のお面でした。Wao!

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岩根沢三山神社 太々神楽 大国舞(国家安寧)

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なお、6面写真・右下のお面は、神直日神(かんなおびのかみ)。

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岩根沢三山神社 太々神楽 榊舞(祓い)

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右上は、どうみても、ひょっとこですね。隣の猿面と同じく、神楽のわき役としての登場でしょうか。

残り6面は次回。

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