ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【大社御祖神社】先代旧事本紀に書かれた御祭神親子を祀る高宮の式内二社【高宮神社】

はじめに

寝屋川市 #高宮 の丘(旧讃良郡高宮村)には式内社が二社。一帯からは縄文土器古墳時代の須恵器、飛鳥時代の寺院跡など。古代河内を代表する集落と氏族の居住地が継続してあったところ #大社御祖神社 #高宮神社

目次

本文

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讃良川(さんらがわ)の土手。向こうに見えるのが第二京阪

萱島駅から約3キロ、讃良川(さんらがわ)と第二京阪国道にそって北東に歩きます。

第二京阪国道は2010年に全面開通した新道。大阪市内から京都市内まで、早ければ約40分で繋ぐ渋滞がほとんどない高速道路です(阪神高速近畿自動車道第二京阪阪神高速京都線

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高宮の丘。右が第二京阪国道

高宮廃寺跡・大社御祖神社

高宮廃寺跡に鎮座する大社御祖神社(おおやしろみおやじんじゃ)。

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高宮廃寺跡・大社御祖神社に向かう鳥居

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高宮廃寺跡・大社御祖神社の拝殿

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高宮廃寺跡と高宮遺跡の案内板

いくつかの案内板の要約です。

・大社御祖神社は平安時代延喜式神名帳に記載された式内社

・御祭神は 天萬魂命(あめのよろずたまのみこと)(ここから北西300mに鎮座する 高宮神社 の父神)

・江戸時代には五穀豊穣を祈って牛頭天王も祀られていた

・境内には東西に塔を持つ白鳳時代(7世紀後半)に創建され、奈良時代(八世紀)まで運営された 古代寺院跡・高宮廃寺。現在の社殿のところに西塔があったと推定されている

・近くの高宮遺跡からは縄文土器古墳時代の須恵器、寺院が建てられるまで柵で囲われた巨大な木造建物跡も見つかっている

・(各時代に一貫して)河内を代表するような集落、氏族の居住地があったと考えられる

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大社御祖神社拝殿(高宮廃寺の西塔跡)

大社御祖神社跡

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大社御祖神社跡

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高宮神社(大阪府寝屋川市高宮)

大社御祖神社(式内社)の説明板に書かれた近くの神社。

こちらも延喜式内社で、一つの村に二つの式内社は全国的にも珍しいとのこと。

御祭神については「先代旧事本紀*1、せんだいぐじほんき」に、当神社の天剛風命(あめのこかぜのみこと)と、大社御祖神社の天萬王命(あめのよろずたまのみこと)は親子であることが書かれています。(寝屋川市案内板より)

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高宮神社

御由緒(一部))高宮廃寺の守護神としての氏神、大社御祖神社のご祭神・天萬王命(あめのよろずたまのみこと)と、当神社の天剛風命(あめのこかぜのみこと)は親子の神様。高宮廃寺は氏の没落で室町時代末ごろに伽藍がつぶれ、法灯が消えた(高宮廃寺は奈良時代に途絶えた後、鎌倉時代に再建されたが後に廃絶)

現在はここの社務所で、高宮神社と大社御祖神社を守っているそうです。

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高宮神社

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アラハバキ解 第50章公開 生玉と足玉。クニウミの景色

十種神宝 の続き。生玉と足玉。道返玉と死返玉。#生国魂神社 #八十島祭 #生島巫 #生島足島神社 日本神話の #サイノカミ信仰

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*1:Wikiより)全10巻からなり、天地開闢から推古天皇までの歴史が記述されている。著者は不明だが「天孫本紀」に尾張氏物部氏の系譜を詳しく記述し、物部氏に関わる事柄を多く載せるところから、著者は物部氏の人物であるという説もある(江戸時代に偽書とされたが、史料としての価値は高いと考える専門家もいる)