ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【鏡作坐天照御魂神社①】古代史の点と線 笠縫と鏡作【1】

はじめに

古代 #笠縫 を追いかけるにおいて #鏡作(#銅鏡)との関係性は深いと考えており、その流れで #鏡作坐天照御魂神社(奈良県磯城郡田原本町)を参拝。一回目は神社と境内の紹介 #倭笠縫邑 #八咫鏡

目次

本文

鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにますあまてるみたまじんじゃ)

鏡作坐天照御魂神社(奈良県磯城郡田原本町八尾)

(34.5607556, 135.7940707)/奈良県磯城郡田原本町八尾816/近鉄橿原線田原本駅から徒歩20分。参拝者駐車場あり

御祭神:天照国照彦火明命(あまてるくにてるひこほあかりのみこと。彦は日子とも書く)、石凝姥命(いいしこりどめのみこと)、天糠戸命(あめのぬかどのみこと)

鏡作坐天照御魂神社 御由緒

天照大神(ヒメ神)と天照国照彦火明命(ヒコ神)は別神 であるとする解釈が明確で、面白いですね。

文字起こし)「倭名抄」鏡作郷に鎮座する式内の古社である。第十代崇神天皇のころ、三種の神器の一なる八咫鏡(やたのかがみ)を皇居の内にお祀りすることは畏れ多いとして、まず倭笠縫邑(やまとのかさぬいむら)*1にお祀りし(伊勢神宮の起源)更に別の鏡をおつくりになった。社伝によると「崇神天皇六年九月三日、この地において日御像の鏡を鋳造し、天照大神の御魂となす。今の内待所の神鏡是なり。本社は其の(試鋳せられた)像鏡を天照国照彦火明命として祀れるもので、この地を号して鏡作と言ふ。」とあり、ご祭神は鏡作三所大明神として称えられていた。古代から江戸時代にかけて、このあたりに鏡作師*2が住み、鏡池で身をきよめ、鏡作に励んだといい、鏡の神様としては全国で最も由緒の深い神社である。(田原本町

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鏡作坐天照御魂神社 境内

鏡作坐天照御魂神社 参道

鏡作坐天照御魂神社 参道途中に鏡池と鏡石(立て札写真は御神宝の三神二獣鏡*3

鏡石

鏡作坐天照御魂神社 鏡池

鏡作坐天照御魂神社 手水舎

鏡作坐天照御魂神社

鏡作坐天照御魂神社 拝殿

鏡作坐天照御魂神社 拝殿 御神鏡

御本殿も参拝できます。

鏡作坐天照御魂神社 若宮

鏡作坐天照御魂神社 四社(左から。天照皇大神宮手力雄神社住吉大社春日大社

鏡作坐天照御魂神社 御本殿

鏡作坐天照御魂神社 御本殿 狛犬

鏡作坐天照御魂神社 御本殿

鏡作坐天照御魂神社 御本殿は神明鳥居

この神社で気になるのは、ふつう、東向きに伊勢遥拝所が置かれますが(たぶんしめ縄で結界したところ)ですが、隣に狭依姫神社(さいひめ)という小さな祠があるところ。

狭依姫(狭井姫)の信仰は、サイノカミ信仰のこん跡と考えており、日の出の東の方向には、もちろん伊勢神宮、しかし大和盆地スケールでみれば、三輪山、そして麓の狭井神社三輪山への登拝口)が鎮座しています。

鏡作坐天照御魂神社 境内社 狭依姫神社(東向き)

境内社。上から順に。

鍵取神社(留守の鍵を預かる?)、笛吹神社(火吹き鍛冶)。

愛宕神社・稲荷神社(火伏せ・五穀豊穣)。

ここまでは金属精錬に関係した神々でしょうか。

石碑型の金比羅神社

合祀の七社(八意思兼神社、粟嶋神社、事代主神社、厳島神社保食神社(うけもち)、大国主神社、猿田彦神社

鏡作坐天照御魂神社 境内社

境内から出て北側、御本殿の真裏から神社の杜を眺めてみると。なんと!ここにも鏡が!😀

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*1:比定地・伝承地は多数。檜原神社桜井市)、多神社(磯城郡田原本町多)、笠縫神社(磯城郡田原本町秦荘、秦楽寺境内南東隅)、笠山荒神社(桜井市笠)、多神社摂社の姫皇子神社、志貴御県坐神社(桜井市金屋)、小夫天神社(桜井市小夫)、穴師坐兵主神社桜井市穴師)、飛鳥坐神社高市郡 明日香村飛鳥)、長谷山口坐神社(桜井市初瀬手力雄)など(wikiより)

*2:鋳物師

*3:三神二獣の紋様。種類としては三角縁神獣鏡