はじめに
道祖神(サイノカミ)的な信仰の起源は縄文時代?というテーマの前回の続き。#金生遺跡中空土偶(山梨県北杜市)のボディの前後に描かれた #ぐるぐる渦巻紋様 はあの世とこの世 #異世界 を繋ぐ出入口ではないかと妄想 #タイムトンネル #サルタヒコ #遮光器土偶
目次
本文
タイムトンネル
子どもの頃 タイムトンネル というTV番組に夢中だったことがありました。
アメリカの砂漠の秘密の地下基地のトンネルを通って、主人公らが世界中の場所や時間に冒険するストーリー。
流行りの異界転生のハシリみたいな物語で、巨大なトンネルは時空間転移装置といったところでしょうか。
キューバ危機後の冷戦時代という背景がこういうSF物語を生み出したそうですが、当時、子どもだった私は、トンネルの向こう 異世界への旅 にあこがれたものです。
なんでタイムトンネルの話かというと、前回の縄文土器・土偶と道祖神(サイノカミ)信仰の続きを書こうとして、
去年秋に紹介した金生遺跡(山梨県北杜市)の中空土偶 ぐるぐるデザイン を思い出したから。
この奇妙でちょっと不気味な土偶の 前面と後面のうずまき紋様が 子どものころに見た、タイムトンネルに似ています。
ゆえに、あくまでも私の古代妄想としてお読みいただくとして、
金生遺跡の中空土偶に描かれたぐるぐる渦巻紋様は、異世界であるあの世と、この世が接するところのゲート(入口あるいは出口)をあらわしていて、
ボディの前(この世)と後ろ(あの世)に描かれているのは 二つの世界のサカイに立つモノ であるからと解釈できないでしょうか。
金生遺跡の中空土偶「も」、道祖神(サイノカミ)の神像的なモノ なのかも知れません。
真横から見て肩?の付近にも、うずまき紋様が描かれています。
この中空土偶を造形した縄文の人の意識の中では、異世界は複数(多次元世界)であったのかも知れません。
ついでに言うと、日本神話での道祖神(導きの神)的な神格は、天の八衢(やちまた)に立つ鼻高のサルタヒコ神でもあります。
中空土偶の突起が、実は、口ではなく鼻だったら…一大発見ですね😀
縄文晩期終末(2300年前=紀元前300年前)の祭祀遺構から出土しており、
つまり、津軽の遮光器土偶(シャコちゃん)と同時代のものであります。
シャコちゃんのボディの前と後ろにも、いや全身に、縄文のぐるぐる渦巻が描かれています。
シャコちゃんは当時流行したデザインで、中空&スリット目&頭部に香炉のようなものを載せた同じ様式の土偶は、各地の遺跡(北海道南部、東北、関東、中部、近畿)から出土しています。
シャコちゃんを道祖神(サルタヒコ神)像的なものと考えるなら、スリット目の間の小さな孔は鼻で、そこには「長いもの」つまり「正しい方向を指し示すもの…道しるべ」が差し込まれたのかも知れません。
金生(山梨県北杜市)の縄文人が、津軽亀ヶ岡のシャコちゃん様式をマネて作ったのが中空土偶(あるいはその逆)と考えると、縄文時代の列島の広い交流(交易)や宗教概念の共有文化みたいなものが妄想できてワクワクします。