ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

三輪山の足元で 纏向(まきむく)は唐古・鍵から始まった 【唐古・鍵周辺遺跡の逸品】

ヤマタイコク・大和説の中心地、纏向(まきむく、奈良県桜井市

実はその文化は唐古・鍵(からこ・かぎ、奈良県田原本町)からスライドしていたことはあまり知られていない。

唐古・鍵は紀元前200年ごろ~西暦200年ごろ
纏向は西暦200年ごろ~400年ごろ

古墳時代(250年~)は纏向から始まる。

したがって「唐古・鍵」は弥生時代、「纏向」は弥生時代古墳時代に属する。

ヤマタイコク論争のとおり、日本古代史でも多くの謎を秘めた時期だ。

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古・鍵遺跡と纏向遺跡

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唐古・鍵遺跡と纏向遺跡

先日、弥生の姫巫女(ひめみこ)に逢いに、唐古・鍵考古学ミュージアムを訪れた時、周辺遺跡・古墳時代の企画展も開催されていた。

ミュージアムは無料、企画展は有料)

www.zero-position.com

古墳時代

唐古・鍵の周辺遺跡群から出土した貴重な埴輪や土器の展示

中でも印象的な埴輪をピックアップした。

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羽子田⑦ 笹鉾山⑥付近 保津・宮古

右の写真は牛型埴輪。

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羽子田遺跡⑦

馬と馬ひきの埴輪。右側の人物埴輪は顔にイレズミ。

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笹鉾山遺跡⑥付近

家型埴輪と蓋形(きぬがさがた)埴輪。

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左)保津・宮古⑰ 右)唐古・鍵

弥生時代

(パネル文字起し)唐古・鍵の建物絵画には棟の端に渦巻飾りをもつものが多い。首長の館や高床倉庫に立派な飾りがつけられていたのであろう。このような渦巻飾りをもつ建物は、唐古・鍵遺跡周辺の遺跡にもみられ、唐古・鍵遺跡と密接な関係があったことを示している。古代の建物において棟を飾ることは、権威を表すことであり、唐古・鍵遺跡群(唐古・鍵遺跡と周辺遺跡)が他の地域の集落より上位であったかも知れない。

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建物絵画土器片

宝石箱に触る!!

唐古・鍵考古学ミュージアム(無料コーナー)では、以前、紹介した「弥生の宝石箱」、褐鉄鉱(かってっこう)の実物に触れることができる。

奈良県内から出土した褐鉄鉱で、宝石箱と同じく、中が空洞の大変珍しいもの。

振ると「カランカラン」と音がする。土鈴そのものだ。

ミュージアムの係員さんか、ボランティアガイドの方にお願いすれば、いつでも触らせてもらえる。

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褐鉄鉱

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唐古・鍵考古学ミュージアム

唐古・鍵遺跡史跡公園から南約2キロにある「田原本青垣生涯学習センター」2階(田原本町立図書館も併設。たわらもと)

ナビで住所または施設入力する場合:奈良県磯城郡田原本町阪手233-1、田原本青垣生涯学習センター

入場無料。特別展示・企画展示は有料