日本書記の崇神紀(第10代)に『疫病を鎮めるため、赤盾八枚、赤矛八竿を墨坂の神に祀り、黒盾八枚、黒矛八竿を大坂の神に祀る』とあり、これが由緒になって、墨坂は「日本最古の健康の神を祀る神社」と云われています。
崇神大王(第10代、紀元前148~30年)の時代、古代大和の西の結界(国境)が大坂で、東はこのあたりだったということです。
なお、大坂と墨坂神社のある榛原(はいばら)は、伊勢街道でつながっています。
墨坂神社(奈良県宇陀市榛原)
墨坂神社は、もともと宇陀川の北方、鳥見山側のふもとの榛原萩原あたりに鎮座していましたが、西暦1400年代に現在地に遷座したようです。
御祭神:【造化三神】天御中主神(あまのみなかのぬし)、高皇産霊神(たかみむすび)、神皇産霊神(かんむすび)、【生魂三神(※)】伊邪那岐神(いざなぎ)、伊邪那美(いざなみ)神、大物主神(おおものぬし)
始まりの錚々(そうそう)たる神々です。
神社では、六神を総称して墨坂大神(すみさかのおおかみ、病気平癒 健康の神)としています。
※開物の解釈によります。大阪・生國魂神社の主神は生島大神=イザナギ、足島大神=イザナミ、相殿神は大物主神)
祓戸の神と波動水
境内に入る石段のそばに"祓戸の神。
案内には『まずここでお参りし、心身ともに清浄にして本殿にお参りしましょう』、手水舎の横の看板には『波動水』と書いてあります。
波動水は、奥の竜王宮より湧き出る、身体を健康に導く御神水だそうです。
境内社・竜王宮
波動水の源の境内社・竜王宮。御祭神は罔象女神(みずはのめのかみ)(開物解釈では、おたき様)