ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【元駒形神社】御本殿に鎮座するコンセイサマ【遠野オシラサマ(馬娘婚姻譚)考】

はじめに

遠野めぐりの二日目、カーナビに #荒川駒形神社 をセットして出発。着いたのは近くの #元駒形神社 の方。森の中の小さな御本殿には立派な木造の #コンセイサマ。間違いとはいえ先に元社の方をお詣りして正解でした #オシラサマ #馬娘婚姻譚

目次

本文

駒形神社(2021年10月19日お詣り)

はじめての遠野は、現地で調べてから行く先に向かうパターン。一泊目に宿泊した「たかむろ水光園」の廊下に貼ってあった大地図を眺めていて駒形神社にお詣りすることに。(下に見える「妻の神、さいのかみ」というところに行ってみたかったのですが、ネットで調べても何もわからず断念)

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駒形神社と荒川駒形神社。右はたかむろ水光園の地図

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カーナビをセットして意気揚々と早朝出発。途中でニャンコが道に飛び出してきて急ブレーキという事件はありましたが、順調に駒形神社に向かう。そして、最初に通ったのが 駒形神社 の鳥居前(コンクリート製)。

慌て者の酉(とり)年の私は、ここが荒川駒形神社だとすっかり勘違い。そのまま鳥居をくぐってお詣り。

(39.42031084750087, 141.54504642562813)/岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛14地割65/遠野駅から車で約20分

コンクリートの鳥居をくぐって、御神域に入って最初に見えた森と鳥居の景色。

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駒形神社 コンクリートの鳥居をくぐって見える鳥居の景色

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駒形神社 小川

駒形神社 御本殿

小さな小川の小さな橋を渡ると、御神木(イチイ)らしき立派で大きな樹の向こうに赤い幕が張られた御本殿。

森の中の、本当に小さなお社です。

後で調べて分かったことですが、その名の通り、ここは荒川駒形神社の元駒形神社。もともとここにあった駒形社が現在地(荒川駒形神社)に遷座したようです。

ただお社の様子をうかがいますと、今も御神域を細々と管理している人がいる様子。

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駒形神社

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駒形神社

御本殿(向かって左)には、立派なコンセイサマ(木造)が鎮座しておられました。

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駒形神社 御本殿

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駒形神社 奉納された馬の人形(駒形)

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駒形神社 御本殿裏の森

駒形神社で考えたこと(駒形信仰とコンセイサマオシラサマの物語の点と線)

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駒形信仰(奉納物)遠野市立博物館

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男女一対のオシラサマ 遠野市立博物館

駒形という名の社にお詣りするのは初めてですが、間違いとはいえ、元駒形神社に先にお詣りできて正解でした。

以前、アラハバキ解で、東北日本で西のヤマトと東のエミシの文化の衝突の歴史を通して遠野のオシラサマの物語(馬娘婚姻譚*1)と信仰が生まれたのではないか?という妄想仮説を書きました。

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駒形神社

娘(古神道の巫女)が愛した馬は、新来の仏教(仏像)そして男性(太子信仰*2)として暗示的に描かれていると考えたからですが、馬を祀る駒形神社コンセイサマが鎮座している様子は、そのことを象徴的に表していると思います。

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駒形神社

・・・などと満足しながら宿に帰って。。。遠野市の観光パンフレットに荒川駒形神社が紹介されていたのを読みました。

!!・・・自分がお詣りした所とは違うことにはじめて気がついた次第。汗。

あらためて翌日、荒川駒形神社にお詣り(出直し)することにしました。

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駒形神社

アラハバキ解/オシラサマ考察は第25~26章】

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*1:うまむすめこんいんたん。飼い馬と仲が良くついには夫婦になってしまう。父親は怒り、馬を殺して木に吊り下げた。娘は馬の死を知り、すがりついて泣いたが父はさらに怒り、馬の首をはねた。すかさず娘が馬の首に飛び乗るとそのまま空へ昇りおしら様になった

*2:聖徳太子と馬(甲斐の黒駒)