はじめに
遠野物語 第二話 #遠野三山伝説。母神(#瀬織津姫、俗名おない)と三人の娘神(おろく、おいし、おはや)の物語が書かれています。四柱の女神が遠野にやって来た時、最初の宿にしたのが『来内村の伊豆権現の社』 #伊豆神社 です。いわば #遠野物語 始まりの社です
目次
本文
遠野三山伝説(四姫と三山の伝説)
遠野物語(第二話)大昔に女神あり、三人の娘を伴ひて此高原に来り、今の 来内村の伊豆権現の社 ある処に宿りし夜、今夜よき夢を見たらん娘に山を与ふべしと母の神の語りて寝たりしに、夜深く天より霊華降りて姉の姫の胸の上に止りしを、末の娘目覚めて窃に之を取り、我胸の上に載せたりしかば、終に最も美しき早池峰の山を得、姉たちは六角牛と石神とを得たり。若き三人の女神各三の山に住し今も之を領したまふ故に、遠野の女どもは其妬を畏れて今も此山に遊ばずと云へり
伊豆神社(来内(らいない)村の伊豆権現の社)
(39.27732209310865, 141.54970798845855)/岩手県遠野市上郷町来内6地割32−2/県道238号線沿い、1~2台の駐車スペースあり
現地には御祭神の案内はなかったですが、ネットで調べると瀬織津姫(せおりつひめ)とされています。
瀬織津姫と遠野には深い関係があるようで、伊豆神社から北の早池峰(はやちね)山麓に鎮座する早池峰神社の御祭神も瀬織津姫です。
【1106。御祭神の俗名おない、引用先も追記】
御祭神:瀬織津姫(せおりつひめ)(三姫の母神)俗名 おない*1
伊豆神社の狛犬は、獅子頭に似て、たいへんユニークな表情ですね。
伊豆神社 御本殿
遠野の神社を巡りましたが、御本殿の壁に、写真のような鉄の剣型の奉納物が打ち付けられているのを何か所かでみかけました。
御神体は獅子頭(ししがしら)ということです。神楽舞(かぐらまい)で使われたものでしょうか。
この獅子頭は、桐に彫刻されており、その形は伎楽の獅子面に類似しています。仕上げは漆塗りで、その上に金箔が押された豪華なものだったようですが、現在はほとんど剥げています。
伊豆神社は、大同年間(806~810)に早池峰山を開いた始閣藤蔵が厚く信仰した神社で、明治維新前は伊豆権現といい、早池峰権現の親神と呼ばれていました。
遠野訪問の目的のひとつは、記紀にも記載がない 瀬織津姫 の謎に迫ることだったのですが、不思議なことに、当社(現地)内には瀬織津姫の「せ」の字も案内がありません。どうしてでしょうか。。。新たな謎です。
*1:特集=瀬織津姫神と遠野について(風琳堂主人)中の引用(平成四年・伊豆神社御由緒)より