ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

下鴨神社(11)出雲井於神社・ 後ろの正面だぁれ(3)スサノオと入れ替えられたオオクニヌシ★★★

前回の続き。

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出雲井於神社。「いずもいのへのじんじゃ」と読む

「井於」とは「鴨川のほとり」のことで「出雲郷の鴨川のほとりの神社」という意味だそうだ。

下鴨神社の境内、大炊殿(おおいどの)の南に位置する。

京都市考古資料館・古代豪族の勢力。出雲氏は鴨川と高野川の合流地、現在の下鴨神社一帯。

赤囲みは秦氏(はたうじ)の最大時、平安京(794)頃か。

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京都市考古資料館 古代豪族の勢力

下鴨神社・七不思議の「何でも柊(ひいらぎ)」の場所でもある。

厄年の祈願にこの神社の周りに献木すると、どんな木でも柊になって願い事が叶うことから、そのように呼ばれている。

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大炊殿の展示物の中に縁(ゆかり)のものが2つあった。

(左)比良木社とは出雲井於神社の俗称。大黒天像が置かれている

(右)江戸時代の火袋。袋で灯す式の火器、柊の模様

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大黒天像 江戸時代の火袋

台所で使う「火」の神様。

大黒さんを「台所の神さん」とする信仰は、大炊殿から始まったのかも知れない。

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出雲井於神社(比良木社)は、日本書紀神武天皇二年の条に「葛野主殿県主部(かどのとのもりあがたぬしべ)」とある人々が先祖神としてお祭りした神社という。

古代山城北部に住んでいた一族で「鴨氏と同じ祖先に属していた」と案内板に書いてある。

同じ祖先とは「出雲」のこと。

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出雲井於神社の案内板

つまり、この神社は

鴨氏の前に山城北部にいた別の出雲族が創建した古い神社

で、下鴨神社の本殿(鴨氏)ができる前からあったことを意味している。

出雲族の先祖神であるなら「オオクニヌシ」のはず。

実際、大炊殿の大黒天像はオオクニヌシ七福神に変わった姿だから「なるほど!」と思っていた。

ところが案内板には、御祭神は建速須佐乃男命(たけはやすさのおのみこと)スサノオノミコトと書かれている。

御祭神がオオクニヌシからスサノオ

入れ替えられているのは、オオクニヌシ下鴨神社の隠された「御陰様」であるかも知れないと考えた理由のひとつだ。

そして、これが「出雲後物部(いずも・のち・もののべ)」のこん跡と考えた。

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神話の世界では、オオクニヌシスサノオの娘のダンナ、つまり、二人は義理の親子関係であるが、

史実として、スサノオ物部氏の先祖神で、オオクニヌシを先祖神とする出雲とは、一言でいえばライバル関係にあった。

物部氏による出雲勢力地の逆転支配を「出雲後物部」と妄想して古神社巡りしている。

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