京漬物の「すぐき漬」
くわしくはWikiで見ていただくとして、
乳酸発酵漬物の一種。関西弁で云うところの「ひねる」ほど酸っぱくなるが、すっきりした酸味の漬物だ。
「ひねる」は三輪そうめんの「ひねもの」の「ひね」と同じで、おおよそ「古くな(って味が出)る」という意味で使う。
Wikiにも書いてあるが、長野にもよく似た「すんき漬」があり、これが、私の大好物のお焼きになる。
すぐき漬とすんき漬。すぐきは京都特産・酸茎菜(すぐきな)、すんきは木曽の赤かぶだが作り方はほとんど一緒らしい。
こういう面からも古代を追いかけてゆくと面白いことが見えてくると思う。
すぐき漬は弥生時代の発酵食品
すぐき菜は「加茂菜」とも云われ、上賀茂・深泥池(みどろがいけ)一帯の特産品。
すぐき漬に爽やかな酸味をもたらすのが植物性乳酸菌。
(トマトマークの食品メーカーが「胃酸に強く腸まで届く植物性乳酸菌」のヨーグルトとして商品化している)
もともと「加茂」は各地に土着した出雲族のことで、加茂とよばれた人々は弥生時代はじめ(紀元前1000年)から縄文の人々と習合したと考えている。
すぐき菜の栽培とすぐき漬つくりは、上賀茂神社で始まったという説もあるが、そういった古代文化がこの地域に形成されていたのなら、
すぐき菜は神社ができる前から栽培され、すぐき漬として発酵食品化されていた可能性が高い。
つまり、某メーカー・ヨーグルトは「弥生の健康食品」、時代区分によっては「縄文の健康食品」ということになる 笑
上賀茂神社では酒造が行われていた
6月に上賀茂神社を訪れたとき、本殿ミニツアーで「酒殿(さかどの)」の話を聞いた。
ガイドさんも軽く触れたぐらいで、説明板もなかったので詳細は未確認だが、もともと境内にあった酒殿、現在は二の鳥居を出た社務所の南側に移築されたと教えてもらった。(左の絵・左下に二の鳥居。それよりもこちら側に社務所)
上賀茂(深泥池、宝ヶ池を含む)は、北は貴布禰(きふね)総本宮・貴船神社のある鞍馬山、東は鴨川、西は高野川に挟まれた地下水脈を含めた水の豊富な一帯。
清涼な水を利用して上賀茂神社で酒造が行われていたのだろう。
共通する発酵技術
それぞれ詳しくはまた書いてゆこうと思うが、すぐき漬と酒造に共通するのが「発酵技術」
実は「酒殿」の話は聞きっぱなしになっていたが、季節柄、賀茂のすぐき漬という新しい「点」が現れたことで「線」として繋がりそうな気がしている。