ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【三種の神器・雑考(2)】アマテラス・スサノオ・ツクヨミ【三貴子】★★★

まとめ

黄泉の国から脱出した#イザナギ が川でミソギをしたときに生まれたのが #アマテラス(天照) #スサノオ(素戔嗚、須佐之男) #ツクヨミ(月読)の #三貴子。それぞれに銅鏡・鉄剣・勾玉に対応します #三種の神器

目次

本文

日本神話とは

日本神話とは、第43代元明天皇(女帝)期(712年)に成立した古事記こじき、ふることふみ)*1の上巻に書かれたものを、基本的に指します。

上巻には天地開闢(てんちかいびゃく)、イザナギイザナミ、出雲のオオクニヌシ(ヤチホコ)、国譲りなどなど、神話が記述されています。

その中に『三種の神器』の話が書かれていますが、ここでは長くなりますので、興味のある方は「古事記 三種の神器」でググって、ご覧ください。

禊祓と三貴子(みそぎはらえ と さんきし)

私が注目しているのは、日本神話の『禊祓と三貴子(みはしらのうずのみこ、とも)』のところ。

イザナミのいる黄泉の国からカラガラ逃げ出したイザナギが、ケガレを祓うため川でミソギをしたときに生まれ落ちたのが、アマテラス(天照)、スサノオ(素戔嗚、須佐之男)、ツクヨミ(月読)という話で、この3人を三貴子または三貴神といいます。

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三重・伊勢内宮(御祭神アマテラス)、京都・八坂神社(スサノオ)、山形・月山神社ツクヨミ

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アマテラス、スサノオツクヨミツクヨミは影が薄い存在)

三貴子三種の神器

三貴子は、三種の神器にそれぞれ対応します。

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鏡(太陽)はアマテラス、鉄剣はスサノオ(地・水)、勾玉(月)はツクヨミ

神話では、スサノオは『海の神』として生まれましたが、本人がこれを拒否します。ヤマタノオロチ神話や祇園信仰を考えると、地と水の守護神ということになるでしょうか。

日本神話の成立と三種の神器★★★

古代妄想レベル:★★★=MAX ★★=MEDIUM ★=MIN or A LITTLE

日本神話では、鏡が太陽・アマテラス、鉄剣が地と水・スサノオ、勾玉が月・ツクヨミ、ということになります。

ものづくり(民族)の観点では、銅鏡がモノノベ(ハタ)、鉄剣がイズモ、勾玉が縄文。

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神器のようなシンボリックなものにはいくつもの意味(思考)が積み重ねられ、その程度に応じて比喩表現(メタファー)化してゆきます。

古事記(日本神話)の編さんの目的は、何といっても、天皇家の正統性を国内の諸勢力にアピールし、国内統治力を高めること。

神様・ものづくり・民族の観点でそれらの統合、つまり 大いなる和、ヤマトを「見える化」したのが三種の神器 で、当然、天皇が『皇統の御璽、みしるし』として代々引き継いでゆくことになります。

となれば、そういう意識が強烈に出てきた天武天皇期と考えるのが自然かと思います。*2

次回は、産地と製法が類推できる八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)から、三種の神器の成立期を妄想してみます。

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*1:古事記は、各地にふるくから存在していた古書に書かれていた内容を、文書管理の舎人(とねり、官人)であった稗田阿礼(ひえだのあれ、女性説もあり)が丸暗記していて、それを太安万侶(おおのやすまろ)が編纂したものというぐらいしかわかっていません。

*2:後継争いを避ける意味でも、皇后・サララ姫(持統)の「暴走」を抑制しようとした意図もあるかと思います