はじめに
北海道 #厚真町軽舞遺跡調査整理事務所。かつての小学校校舎を、郷土の歴史資料館として活用。出土した #黒曜石の矢尻 #キラキラ土器 などに触れ見学できます
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厚真町軽舞遺跡調査整理事務所
(42.6643710, 141.9097979)/北海道勇払郡厚真町軽舞205−2/無料/平日9:00〜17:00日曜祝日は休館/日高自動車道・ 厚真インターチェンジから車で約20分、新千歳空港から車で約40分
かつての小学校校舎を、郷土の歴史資料館として活用した厚真町軽舞遺跡調査整理事務所。
石器時代からの考古学資料だけでなく、近世から昭和に至るまでの厚真町の郷土資料を収蔵し、来訪者は無料で見学することができます。
日曜祝日は休館ですので、訪問日には注意してください。
遺跡の多い厚真町
厚真町には、街の中心部を流れる厚真川とその源流域に(確認されているだけでも)かなりの数の遺跡が存在します。
縄文時代の展示
嬉しいことに、ここに展示されている土器や石器(黒曜石など)等は、手にとって見ることができます。
黒曜石の矢じり
厚真の縄文遺跡からは多数の黒曜石の矢じりが出土していますが、付近では黒曜石は採れません。
北海道各地から黒曜石が運ばれてきて、ここで最終仕上げした証拠が、下の写真。
左が最終製品、右が 流通母材。
流通母材とは、例えば、原石のまま運んで来ると重くて効率が悪いので、剥片にしてから流通させやすくした矢じりの原料母材という意味だそうです。
縄文時代のキラキラ土器
土器片を見ていたとき、スタッフの方から『キラキラ光りますからどうぞ手にとっご覧下さい』🤩(画面指差しの土器片)
手のひらに載せて、ぐるっと一周してみました。キラキラ光るのがわかるでしょうか。
約4000年前(縄文中〜後期)の芦別の遺跡から出土した #キラキラ土器 破片
— 開物発事 (@Kai_Hatu) 2022年10月14日
キラキラしているのは石英#厚真町軽舞遺跡調査整理事務所 pic.twitter.com/aCRUyTsF3e
キラキラ光るのは十勝岳(火山)起源の火成岩に含まれる石英の結晶で、成分を分析したところ、約4000年前(縄文中〜後期)の、芦別方面(富良野盆地)から流通してきた土器とのこと。
厚真は縄文時代、北海道島のモノの交易集積地点
黒曜石にしても、キラキラ土器にしても、縄文時代の北海道島各地との交易のこん跡であり、厚真軽舞はそのセンター(のひとつ)だったことを示しています。
現代よりも(世界中の)海水面が5メートル近く高かった縄文大海進の時代、厚真は北海道島の南端の海辺の高台にありました。
(…青森の三内丸山遺跡も海に近い高台にありました。)
海辺の高台集落という利点から、渡島(函館など)方面や、あるいは本州との交易の拠点であったのかも知れませんね。