ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【比売許曽神社】下照姫を祀る同名の社がこん跡を含めて大阪市内に三社

はじめに

先日紹介した奈良県葛城 #長柄神社の御祭神は #下照姫(したてるひめ)。山陰と葛城に名が残る #子授け安産の姫神 を祀る社がなぜか大阪市内に三か所。#比売許曽神社 二社(東成区東小橋、天王寺区高津町)と #産湯稲荷神社天王寺区小橋町)

目次

本文

比売許曽神社(ひめこそじんじゃ、大阪市東成区東小橋3丁目)

(34.66756138590145, 135.53415756862822)

大阪環状線近鉄(大阪・奈良)線、鶴橋駅から徒歩5分。

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比売許曽神社(ひめこそじんじゃ、大阪市東成区東小橋3丁目)

御祭神:下照比売命 【相殿】速素戔嗚命(はやすさのおのみこと)、味鉏高彦命(あじすきたかひこのみこと)、大小橋命(おおをばせのみこと)、大鷦鷯命(おおささぎのみこと、仁徳天皇)、橘豊日命(たちばなのとよひのみこと、用明天皇

葛城の大鳥を見晴るかす、初期型銅鐸(どうたく)が出土した名柄遺跡近くの長柄神社(奈良県御所市名柄)の御祭神が下照姫。

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下照姫 繋がりで、久しぶり大阪近隣のお社に参拝。

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比売許曽神社

御由緒)当神社はその創建極めて古く人皇第11代垂仁天皇の御代 愛来目山(あくめやま)大阪市天王寺区小橋東土町一帯の丘陵地)に下照比売命を祀り、以て源を為すと伝ふ。その後、第23代顕宗天皇の御宇、社殿の御造営あり、また、第33代推古天皇十五年春正月十二日正遷宮の際、天皇行幸あらせ給ふ。第56代清和天皇貞観元年に神階従四位上に進め給ひき。すなわち延喜式名神大社にして実に荘厳なる社殿なりしも数度の兵乱により改築毎に小社となり、遂に、天正年間、織田氏石山本願寺攻めの兵火に遭い、難を避けて摂社なる牛頭天王社に移りぬ。現今の社地、これなり。昭和三年御大典を記念して社殿社務所を改築す。昭和十二年一月十二日氏子有志より神輿の奉納あり、その年より古儀を復興し夏祭に神輿渡御を行う。その巡幸、誠に盛大なり

実は、天正年間の兵火で焼けてから荒廃し、行方不明になっていた神宝を発見したと近世に某氏が唱え、そこから現在地に比売許曽神社が再建されたという話が伝わっています。(この話の続きは、記事末の高津宮境内・比売許曽神社の由緒へ。)

比売許曽神社 境内

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比売許曽神社

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比売許曽神社 拝殿の狛犬

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比売許曽神社 拝殿

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比売許曽神社 御本殿

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比売許曽神社 大国主社 白玉稲荷社

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比売許曽神社 白玉稲荷社のミニ狛犬

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比売許曽神社

下照姫 大阪上町台地に痕跡含めて三社

大阪上町台地には、下照姫が御祭神の社が、ここ比売許曽神社の他に二か所あります。

■産湯稲荷(大阪市天王寺区小橋町)境内に『式内 比売許曽神社跡』の碑

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産湯稲荷境内 比売許曽神社の碑

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■高津宮(高津神社、大阪市天王寺区高津町)境内に比売許曽神社

高津宮は、もともと現在の天王寺区餌差町~真田山町~玉造町のどこかに鎮座していましたが、秀吉公の大坂城築城に際し、現在地に遷座しました。

案内板には、旧社地にあった比売許曽神社が、高津宮の遷座に合わせて移ったことが書かれています。

個人的には、由緒の内容や、小橋町一帯(鶴橋駅周辺)には「愛来目山(あくめやま)」に該当するような古い丘陵地(産湯水の湧出地)が見当たらないことから、産湯稲荷社あるいは旧高津宮に分があると考えています。

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高津宮 境内 比売許曽神社(御祭神:下照姫)

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■玉作稲荷(大阪市中央区玉造、玉作岡)相殿神

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