はじめに
火口クレーターのカルデラ #宇曽利山湖 を囲む八峰を蓮華の花びらと見立てた中に咲く #恐山菩提寺。北三峰中心の地蔵山と南五峰中心の釜伏山を軸として山門から奥の院不動明王までを直線配置。#慈覚大師 #円仁
目次
本文
恐山菩提寺の開山は毎年5月1日~10月31日の5ケ月間だけ。厳しい冬は長く、雪に閉ざされます。
貞観4年(862年)に 第3代天台宗座主・円仁(慈覚大師) が開基(伝)、いったん衰退したのち、僧・聚覚が再興し現在は曹洞宗の寺院となりました。
恐山菩提寺は境内図の通り、地蔵山を軸とした北三峰と、釜伏山を軸とした南五峰に囲まれた地形の中、山門から地蔵殿~奥の院不動明王までの伽藍や聖所が直線配置されています(北西~南東方向)
恐山菩提寺 境内
山門をくぐってからの景色。向こうが地蔵山、その手前の参道の先に地蔵殿。左右の小屋は恐山温泉(薬師の湯)です。右の小屋が男湯、左が女湯(今回は時間の関係で入浴せず)
地蔵菩薩は中心にして不動阿字の中心なり。衆生有って是の心を知らば決定して成就す「仏説延命地蔵菩薩経」より。右の一句は地蔵菩薩と不動明王の二而不二を意味し、不動明王は地蔵菩薩の化身 というものであります。それ故に 当山本尊伽羅陀山地蔵大士を中心に、奥の院地蔵山不動明王、奥の院釜伏山獄大明神本地釈迦如来が一直線上に奉納され三者が一体であることを意味しております。当山は伽羅陀山地蔵大士を本尊に仰ぐ霊場であります。地蔵菩薩の「地」は大地をあらわし、「蔵」は生命を産み出す母胎、母の心をあらわしています。人に踏まれても、ひたすら人をささえていく大地と子の痛みをしかとうけとめてくれる母の心こそ地蔵菩薩そのものなのであります。即ち、釈迦如来の附属を受けた本尊の慈悲心と一切の煩悩を打ち砕く確固たる不動心の現成が蓮華の花びらのような 八峰(地蔵山、鶏頭山、大尽山、小尽山、北国山、釜伏山、屏風山、剣の山)に囲まれた蓮華台のごとき恐山 そのものなのであります。ご参拝の皆様には「釈迦地蔵不動一体義」の元、右の三聖地をお参りなされることによって、当山参拝の結願が決定成就されるのであります。霊場恐山 恐山菩提寺
さて、硫黄臭が漂う、地獄と極楽を巡ってきます(次回に続く)
【平安京に結界を結んだ慈覚大師・円仁】