目次
- 前回(家族がコロナ陽性)7月22日記事
- コロナ感染者の退院の新基準(6月12日厚労省通達)
- 退院新基準で『PCR検査・陰性』が求められない理由
- 退院の基準は満たした。とはいうものの
- マスクは感染予防に大きな(絶大な)効果を発揮する
まとめ
新型コロナで22日から入院していた長男(一人住まい)が、今日28日に無事、退院しました。前回暖かいコメントをいただきありがとうございました。退院にあたっては知らなかったこともありましたので、続編として書かせていただきました。
率直に言って、国・行政の新型コロナ対策は「医療崩壊を避け、社会的・経済的犠牲を最小限にして」集団免疫を少しずつ獲得する方向に向けて、すでに新しいフェーズに入っていると思われます。Withコロナの一例に過ぎませんが、今後の予防策・対応策の参考にしていただければと思います
本文
前回(家族がコロナ陽性)7月22日記事
自宅待機中に40度を超え、入院時に39度前後あったのですが、22日の入院直後からアビガン(ファビピラビル)とオルベスコ(シクレソニド、喘息薬)のカクテル投与で熱が下がり、肺炎も順調に改善、
26日朝までには平熱に戻り、肺の痛み(ピリピリ?)も消えたそうです。
全体としては、軽症者と重症者の間、新型コロナ中等症という経過でした。
コロナ感染者の退院の新基準(6月12日厚労省通達)
27日に本人から「病院から(28日朝までに熱が出なければ)午後に退院」「マスクなどの感染予防策に気を付けて、そのまま公共交通機関で自宅に戻っていい」と指示があったと連絡が入りました。
「そのまま指定されたホテルに移動して、一定期間後にPCR検査・2回陰性で復帰」と思っていたので、びっくりしました。
実は、コロナ感染者の退院基準が先月から変わっていたんですね。
参考に長男が病院でもらったペーパーをアップしておきます(一部割愛)。
新基準(原則)は上の黄色く囲んだところです。
発症から10日間経過、かつ、症状軽快後72時間経過
10日前(18日朝)に発症、3日前(26日)朝の検温で平熱になりましたから、28日午後以降なら各基準をクリアしています。
退院新基準で『PCR検査・陰性』が求められない理由
結論からいうと、
回復して退院基準をクリアすれば、たとえPCR陽性でも(医学的・統計学的に)その人から感染が広がる確率はほとんどない ということです
紹介した図*2 の左右対称の山がいくつか重なったイメージ。
ひとつひとつの山が、統計学でいう正規分布曲線(確率論)で、偏差値などでも使われるものです。
タテ軸に感染確率、ヨコ軸に経過日数。
ブルーの山が発症前、ライトグリーンが発症中、のそれぞれの感染確率を「見える化」しています。
ベージュは環境から、ライトブラウンは無症状感染者からのそれぞれの感染確率です。
全体として、発症してから10日後が、感染確率がほとんどゼロになる目安(確率であり、完全にゼロになるわけではない)として報告されています。
新型コロナウィルスの潜伏期間
この図から、新型コロナウィルスの潜伏期間も読み取ることができます。
ブルーの山の始まり(左)を起点にして見ると、発症(発熱など、ライトグリーン・同)は2日ごろから始まり、6日前後にピークになります。
長男は潜伏期間が4日(クラスター感染0714夜→発熱0718深夜)でしたから、この区間内に入ります。
退院の基準は満たした。とはいうものの
しかし「無事退院しました ⇒ じゃあ、家族が独り住まいの長男宅に掃除や洗濯に行けるか」というと、やはり、万が一のことを考えてしまいますよね。
回復者に限って、PCR検査の結果と感染力は無関係という医学・統計学な根拠とは別の「感情や感覚」に過ぎないのですが、そう言い切るのも、今のところ勇気がいります。
長男も(次にPCR検査を受けて陰性になるまで)来ないように言っています。
家族でもこうですから、陽性のまま、職場に出勤することは、まずないでしょう。
そのことがペーパー(心理的影響)にも書かれています(赤い囲み)
現在、職場からの連絡待ちですが、PCR検査後の陰性証明書が必要になるんじゃないかと考えています(なにせ職場も初めてのことですから対応には慎重で時間もかかるでしょう)
マスクは感染予防に大きな(絶大な)効果を発揮する
発熱直前の2~3日、職場ではマスクを付けっぱなしだったので「濃厚接触者」のほか、感染させた人がいなかったのが幸いです。
*1:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)健感発0612第1号、令和2年6月12日、厚生労働省健康局結核感染症課長;https://www.mhlw.go.jp/content/000639691.pdf
*2:サイエンス誌に掲載された論文著者が一般向けに書いた「コロナウィルスとの付き合い方」(翻訳でご覧ください)https://medium.com/@tomaspueyo/coronavirus-the-basic-dance-steps-everybody-can-follow-b3d216daa343