ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【四天王寺・亀の池】季節を観る 古代の水鏡のカレンダー【藤原京・醍醐池】

はじめに

先日は #夏至。一年で一番日が長く高い日でした。私たちのご祖先様は太陽の動きで季節を計るために #水鏡のカレンダー を利用したようです #四天王寺亀の池 #藤原京醍醐池 #二十四節気 #春分 #秋分 #冬至

目次

本文

藤原京・醍醐池

去年の10月に、藤原京からヤタガラス(大鳥)が見えるお話をしました。

藤原京大極殿(内裏)北に隣接する方形の醍醐池の北東角に立つと、ちょうど、南西角の向こう、葛城山金剛山の間の水越峠(みずこしとうげ)に、畝傍山山頂が重なり、大きな鳥が羽根を広げた姿を見ることができます。

そして 冬至の日に、あの大鳥(ヤタガラス)の頭に太陽が沈みます

つまり醍醐池の対角線は、冬至夏至の日の出・日の入の方位を計ることができるのです。

藤原京北、醍醐池の北東角から畝傍山を見る

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醍醐池は、おそらく藤原京の造営(天武~持統天皇期)に伴い、一年の太陽の動きを測り、暦を観るために造られたと考えるのが妥当でしょう。

藤原京・醍醐池は、春分夏至秋分冬至の日の出・日の入を測量する

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四天王寺・亀の池

この藤原京での気づきから、他に例がないかと探していたところ、灯台下暗し、四天王寺さんでも同じような水鏡のカレンダーがあることに気付きました。

醍醐池の方形の縮尺を当てはめてみると、亀の池の半分サイズにフィットします。

東西のちょっとした傾き(2~3度)もほぼ一致。(四天王寺伽藍の傾きが影響している)

そして、何よりも、方形の長辺と短辺の比率が「1.87~1.88」、つまり、対角線の角度が約29度になることが重要です。

この角度で、夏至(六月)・冬至(十二月)の日の出・日の入の方位を知ることができるからです。

なお、春分(三月)と秋分(九月)の日の出・日の入は、東西の横軸線を延長する方向です。

四天王寺・亀の池も、春分夏至秋分冬至の日の出・日の入を測量する

水鏡のカレンダーで、一年を、三月・六月・九月・十二月の三ヶ月単位で分割し、さらにこれを細かく刻んで行くことで、

暦において最も重要な稲作の周期をはかったり、梅雨や台風、雷、降雪、雪解けの季節を予想することができるようになります。

現在でもよく使われる 二十四節気 は、こんなところから生まれてきたように思います。

四天王寺六時堂 という名は(日の出・日の入の六つの方位の)『時を計る』という意味で、亀の池のカレンダーに由来した名であるかも知れない、と考えています。

四天王寺・亀の池と六時堂(聖霊会、しょうりょうえ。2022年4月22日)

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