ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【出羽三山信仰とヤタガラス伝承・考】福島市信夫山 三山詣(月山神社・湯殿神社)

福島県福島市内 #信夫山。山中に #出羽三山 の信仰場、羽黒神社 #月山神社 #湯殿神社 が鎮座しています。三山詣りの後半。お詣り後、下山して大鳥の姿 #ヤタガラス(#八咫烏)が見える場所を見つけました #御山

目次

本文

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信夫山 出羽三山詣り

福島県福島市内の独立峰で、御山(おやま)と云われる信夫山。

山中に出羽三山羽黒神社月山神社・湯殿神社が鎮座します。

信夫山(福島県福島市出羽三山詣り

羽黒神社に続き、信夫山西側、羽山の月山神社・湯殿神社にお詣り。

山道みたいな参道を登って…あともう少し。

羽山 月山神社

都(飛鳥)での後継争いに敗れ、信夫山に逃れた第30代・敏達天皇の兄・渟中太命(ぬなかふとのみこと)の没後、

「郷民が八咫鏡を模して神鏡を造り祀った」と伝えられる社(案内板)。

祠の中に御神体の鏡がキラリと輝いて見えます。

羽山 月山神社

羽山 月山神社 案内板

案内板で紹介されている姥神様。片膝を立てた姿が印象的。

出羽修験の信仰場でよく見かけます。

出羽の蜂子皇子(能除大師)と同じく、皇子である渟中太命に生涯付き従った乳母(うば、養育係の女性)を表すのでしょうか。

姥神様

羽山 湯殿神社

羽山 湯殿神社

案内板の「出羽三山は葉山、月山、羽黒を三山として湯殿を奥の院としていたものが、中世末期に羽黒、月山、湯殿を三山にするに至ったという」という一節。

この話は始めて知りました。

羽山 湯殿神社 案内板

出羽の「葉山」が、ここ信夫山では「羽山」地名になったのだろうという内容のことが書かれています。

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ネットでは鳥海山(山形と秋田の県境。写真では遊佐町の北側)を含めて三山という話が散見され、ピンと来ていませんでした。

なぜなら「鳥海山羽黒山・月山」だと「三山=大鳥=八咫烏」のカタチにならないからです。

中世以前の出羽三山羽黒山・月山・(村山)葉山。湯殿山奥の院

羽黒山・月山・葉山なら三山=ヤタガラスの姿に見える場所が、地図の北東、あるいは南西のどこかにありそうです。

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湯殿神社の祠は、羽山の崖のそばに鎮座しており、周辺にはゴツゴツとした大岩(大昔の磐座?)がたくさん露出していました。

崖の上に立つと、福島市北部を見渡せます。

写真中央、北に向かって真っ直ぐの直線は、東北新幹線

信夫山(羽山)から福島市内北部

福島市の大鳥

三山詣りを終えて、信夫山を見上げる絶好のビュースポットを探して、福島市内を車でしばらく移動。

…ありました!

福島市内、東壁谷沢の公民館のそばの稲荷神社から眺める信夫山は、

いわゆる三山の大鳥の姿。まさに 八咫烏 です。

稲荷神社(福島市東壁谷沢9−8)から信夫山

現住所は東壁沢ですが、福島市御山という町名区割りの境界地。

信夫山が「御山」と尊称されたこん跡かと思われます。

福島市東壁谷沢9−8(稲荷神社)

壁谷沢(御山)の稲荷神社は国道沿いの小さな神社ですが、信夫山の八咫烏を眺める正面になります。

*****

出羽三山を開いた蜂子皇子(後の能除大師)が日本海伝いに出羽まで逃れ、

たどり着いた八乙女浦にはヤタガラス伝説が残っており、

出羽三山の信仰と八咫烏伝承は表裏一体の関係と考えています。

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