はじめに
通りがかりにお詣りした大石神社(東大阪市)。苔むした(苔生した)濃い緑に覆われた御神体の大岩。紹介記事にいただいたコメントから妄想がひろがります。#苔虫命 #岩長姫 #磐長姫 #イワナガヒメ #コノハナチルヒメ
目次
本文
苔虫命(コケムシノミコト)
先日の記事。ブックマーク&コメントありがとうございます。
皆さまのコメントから御神体の大石に関心が集まっているのがわかり、古代妄想のヒントになりそうな予感。
楓屋さん(id:kaedeya)『苔虫さまは石長姫(イワナガヒメ)の別名ですね』
エェ~ッ?ほんと!?。調べてみますと苔虫命(こけむしのみこと、苔虫神とも)が出てきました。
近くの神道宗教団体のお社と思われますが御神体の大岩を『イワナガヒメ』と考えてみると、なるほど・・・。
『磐座(いわくら)』は神々が坐す、つまり、降臨する岩(大岩)の意ですが、大石神社の大石はそれ自体が御祭神と考えられましたので、記事ではイワクラというコトバを使いませんでした。
それに(きちんと管理されている印象の社で)なぜ注連縄まで『苔むすままにしている』のか?という疑問もありました。
『苔虫命(苔虫神)』なら合点がゆきそう。。。まさに苔むす(苔生す)
あらためて大石神社の御祭神のことなど、確認しておきたいと思います。
岩長姫(イワナガヒメ)
日本の古代、開闢(かいびゃく)期の最重要の一人(一柱)、コノハナサクヤビメ(木花之佐久夜毘売)のお姉さん。(したがってオオヤマツミの娘神のひとり)
コノハナサクヤビメとともに、ニニギノミコトに嫁ぐんですが、醜かったということでオオヤマツミのもとに送り返されます。
美しいコノハナサクヤビメに対比されるイワナガヒメ。コノハナチルヒメとも。
浅間(せんげん)信仰では御神体が富士山、御祭神がコノハナサクヤビメで、美しいイメージとともによく知られています。
一方、イワナガヒメはその実像(人物像)がよくわかりません。
コノハナサクヤビメとコノハナチルヒメ。。。「咲く」と「散る」。。。「苔むす」は古びてゆくさま。。。老いと寿命。。。時の神?
『苔』むした大岩にからむ『虫』。。。注連縄
古くは『蛇』は『虫』でした。
(北関東などでは『虫』を『蚕』とし『白蛇』と同一視するケースもあります。)
基本的に『蛇』は『水神(龍神)』をあらわします。
またまた連想ゲーム、、、(笑)
アラハバキ解・汎日本古代信仰の謎に迫る(全54話完結)
出雲地方、琵琶湖から中部地方、諏訪地方などにこん跡が残る ミシャグジ信仰 と関連して、鳥居や御神体にからめる『蛇』あるいは『虫』を注連縄で表現する風習があります。なぜか津軽でも一部みられます。
ミシャグジは『御石神』と書くこともでき、石神(シャクシ、セキジン)との関係が推理される古い信仰。(アラハバキ解・第30章で少し触れています。第7・50章で紹介した生島足島神社(長野県)はもともとミシャグジ信仰の社と推理されます)
【2020年12月~2021年5月、連載完結】