ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

【鈴鹿・片山神社】神の国へ 峠越えの禊・祓いの聖所【塞の神と愛宕社】

はじめに

近江と伊勢、境の #片山神社。#伊勢神宮 に向かう #斎王(奉祀する内親王=姫)が神の地に入る前に #みそぎ #はらい をした所。水の #瀬織津姫、風の #気吹戸主、#塞の神 #坂上田村麻呂 #愛宕信仰 #狛犬のいない神社

目次

本文

前回の続き。

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片山神社への行き方(車で迷わないように)

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片山神社(三重県亀山市)右に鈴鹿薙刀の碑

片山神社 (三重県亀山市関町坂下)

御祭神:倭比賣命(やまとひめのみこと)、気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)、瀬織津比賣命(せおりつひめのみこと)

倭姫は斎王の神格。

気吹戸主は『風の祓い』、瀬織津姫は『水のみそぎ』の神格ということでしょうか。

案内板の文字起こし)片山神社は延喜式内社で、元は三子山*1に祭祀されていたが、永仁二年(1294)に現在地に移された(片山神社縁起)とされる。明治以前は「鈴鹿明神」「鈴鹿権現」等と呼ばれ、「室町殿伊勢参宮記(1424)」にも「鈴鹿姫と申す小社の前に」と記されている。東海道はこのあたりから「鈴鹿坂八丁二十七曲り」の急坂が始まり「東の箱根峠、西の鈴鹿峠」と言われた街道の難所、鈴鹿峠へと続く

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片山神社 案内板より

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片山神社

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石段を登りきると開けた境内。正面に大きな岩肌。左に本殿が見えます。

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片山神社境内 正面に岩肌 左に本殿

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片山神社 本殿

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片山神社 境内

境内から石段の方。左向こうに社が見えます。

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愛宕社(御祭神:坂上田村麻呂

前回紹介した鏡岩そばの田村神社跡。

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鈴鹿峠 田村神社

「(坂上田村麻呂を御祭神とした)鈴鹿峠田村神社を明治期に片山神社に合祀した」というのはこちらのことでしょう。

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愛宕

お堂の中に神馬。

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愛宕社 神馬

【参考】愛宕信仰と道祖神塞の神)としての坂上田村麻呂

愛宕信仰は京都・愛宕山愛宕神社(阿多古神社)総本社とし、本来、火伏せ・防火の神を祀っていましたが、やがて坂上田村麻呂を神格化した武神を習合し、明治の神仏分離まで「将軍(勝軍)地蔵」を本地仏としていました。

明智光秀 が深く信仰していたことで有名ですね。

実は将軍(勝軍)は「石神、セキジン、シャクジ とも」からの転訛(てんか)といわれ、田村麻呂公はそのシンボルとして平安京を守護する「塞の神」つまり道祖神、鼻高のサルタヒコと同じ働きを持つ神格として信仰されるようになったようです。

田村麻呂公の墓(将軍塚)は平安京の東の山科(やましな)にありますが、都の東にむかって 道祖神の立石のように立った姿勢で 葬られたと伝えられています。

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キーワード;ヒスイものづくり史、縄文時代弥生時代、大珠小珠、勾玉

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*1:鈴鹿嶽、武名嶽、高幡嶽。中央に瀬織津姫、左右に気吹戸主と速佐須良姫、祓戸(はらえど)の3神を祭祀