ものづくりとことだまの国

縄文・弥生・古墳時代の謎。古神社、遺跡、古地名を辿り忘れられた記憶、隠された暗号を発掘する。脱線も多くご容赦ください

2019-01-01から1年間の記事一覧

高津神社(4)高津宮とこしえ秋祭 葦舟造り 境内で井戸掘り奉仕 運動不足に効果絶大 求ム!井戸掘りびと(大阪市中央区)

今週のお題「運動不足」 令和元年10月22日、新天皇の「即位礼正殿の儀」は休日。 午前中ブログを書いていて、お昼を済ませた後、「とこしえ秋祭り」の古代の葦舟造りを見学しようと、高津宮まで行った。 高津宮(高津神社) 高津宮 とこしえ秋祭り 葦舟…

銅鏡 薄さと永久塗装の秘密【雪野山古墳 古代琵琶湖に君臨した謎の王】明治大学博物館・記念展示より(2)

雪野山古墳(前方後円墳、全長70m、前期古墳)からは、前回紹介したゆきや矢じりなどの武具等のほかに、五枚の銅鏡が出土している。 www.zero-position.com 雪野山古墳 棺の出土状況 なお、前期古墳とは、出現期古墳ともいわれ、古墳時代(西暦250年~…

鮮やかな赤い矢と神話・考★【雪野山古墳 古代琵琶湖に君臨した謎の王】明治大学博物館・記念展示より(1)

今甦る!琵琶湖に君臨した王 雪野山古墳(発掘30周年記念展示) 滋賀県東近江市の雪野山頂で発見された、古墳時代でも早い時期(~西暦300年代前半、古墳時代は250年~)の前方後円墳。 未盗掘で発見された貴重な史跡だ。 雪野山古墳は聞いたことが…

等彌神社(3)謎の神像は御神宝 二本足でヒトガタの八咫烏(やたからす)

訂正とお詫び このシリーズ初回の記事について、指摘があり、確認したところ御神紋は光輝く「トビ(鵄)」でした。最初に「八咫烏」と書いていましたが、訂正しました。 www.zero-position.com 神武東征神話の要約(日本書紀、古事記) カムヤマトイワレビコ…

三輪山の足元で 纏向(まきむく)は唐古・鍵から始まった 【唐古・鍵周辺遺跡の逸品】

ヤマタイコク・大和説の中心地、纏向(まきむく、奈良県桜井市) 実はその文化は唐古・鍵(からこ・かぎ、奈良県田原本町)からスライドしていたことはあまり知られていない。 唐古・鍵は紀元前200年ごろ~西暦200年ごろ 纏向は西暦200年ごろ~40…

等彌神社(2)御神体の鳥見山のいただき「鳥見の霊畤(れいじ)」にお詣り

(四回シリーズ) www.zero-position.com 下津尾社、上津尾社をお参りした後、早速、御神体山の鳥見山に登ることにする。 手水舎で清めて杖をお借りする。 気になる神像については、鳥見の霊畤にお参りしてから。 等彌神社 神像 レプリカ お詣りの山道には、…

等彌神社(1)三輪山の南 鳥見山のふもと 輝くトビ(鵄)の御神紋と謎の神像 ヤタカラス(八咫烏)

等彌神社(とみじんじゃ、奈良県桜井市) 桜井市の鳥見山(とみさん) 以前から気になっているのが、奈良県桜井市の鳥見山(とみさん)。 標高245メートルの低山で、ふもとの等彌神社(とみじんじゃ)の御神体山だ。 鳥見山は、大神神社(おおみわじんじ…

コスモスが見ごろの藤原京跡から大和三山(耳成山 畝傍山 香久山)

藤原京跡 コスモス 大和三山 桜井市に行った帰り道、藤原京跡のそばを通ったので、今が盛りのコスモスを見学に立ち寄った。 耳成山(みみなしやま)、畝傍山(うねびやま)、香久山(かぐやま)の「大和三山」を背景に写真を撮ってみた。 古代、天皇は甘樫丘…

新発見 弥生時代 女性人物(豊穣の祭祀) 絵画土器 特別展示 唐古・鍵考古学ミュージアム

清水風遺跡から新たに出土した絵画土器 田原本町教育委員会(奈良県)が10月9日に、唐古・鍵の周辺遺跡、清水風(しみずかぜ)遺跡 から女性を描いた土器片1点(紀元前1世紀ごろ)を発掘したと発表した。 この女性を描いた土器が、10月10日から、唐…

東に去る巨大台風19号 終端に現れた茜の空

数十年に一度と云われる大きな台風19号。 私のすむ大阪は、暴風域にかかるかかからないかで、風はそれほど吹かなかったが、10月12日深夜から夕方まで、雨が降り続いた。 ひとつの台風の通過で、これほどの長雨は始めてかも知れない。 雨がこやみになっ…

古代の白酒(しろき)雑味が個性の「どぶろく」 各地・新嘗祭のふるまい酒

先日の黒酒(くろき)に続き、今日は白酒(しろき)。 www.zero-position.com 「どぶろく」と「すみ酒」 酒造免許をもつ神社(神酒造りの伝承より) 神社でふるまわれる白酒は、だいたい「どぶろく」 全国40を超える酒造免許を持つ神社のうち、半数近くで…

古代の黒酒(くろき)煮魚・煮物にコクと旨味 料理酒(みりん)として最適

出雲の地伝酒(じでんしゅ) 古代の酒について調べている中で、出会ったのが出雲の地伝酒。黒酒(くろき)の仲間。 透明な清酒ではなく、その名の通り、黒い酒。 やや甘く、我が家でも料理酒(みりん)として使っている。 みりんとして うまみの元、天然のア…

【祝】ノーベル化学賞 受賞 吉野彰さん【考古学が大好きな学生さんだった】

ノーベル賞 画像はWikiより 先月末あたりからツイッターを本格的に始め、古代や考古学好きな方たちと繋がり始めている。 土偶、土器、古墳、神社仏閣・・・世の中にはいろいろな形で関心を持ち、また、若い人でも驚くほどしっかりした観点の人もいて、 毎日…

上賀茂神社(5)賀茂別雷神社 酒殿での酒造り 深泥池(みどろがいけ)のすぐき菜とすぐき漬

京漬物の「すぐき漬」 くわしくはWikiで見ていただくとして、 ja.wikipedia.org 乳酸発酵漬物の一種。関西弁で云うところの「ひねる」ほど酸っぱくなるが、すっきりした酸味の漬物だ。 「ひねる」は三輪そうめんの「ひねもの」の「ひね」と同じで、おおよそ…

大阪市内 秦氏のこん跡 四天王寺・夕陽丘周辺

秦氏(はたうじ)のことをもっと知りたいと思うようになったのが「下鴨神社と上賀茂神社」の違い、から。 これは「行ってみればわかる話」だが、同じ賀茂社なのに雰囲気が違う。 個人的感想だが、下鴨社は「カジュアル」、上賀茂社は「フォーマル」な感じ。…

上賀茂神社(4)賀茂別雷神社 御神体の神山 賀茂氏と秦氏 赤い矢の神話

上賀茂神社から神山 上賀茂神社の御神体は神山(こうやま)。 御祭神は賀茂別雷命(かもわけいかずちのみこと)。 御祭神が神山(こうやま)に降臨したのが、上賀茂神社のご由緒。 御神体の神山 神山(禁足地)の様子が、四天王寺の古本市で買った「新撰京都…

四天王寺 2019秋 大古本祭(~10月9日)古代・歴史の掘り出し物(アイヌ語、津軽史、原田大六、京都など)

春と秋の年二回、恒例の四天王寺さん、古本祭に行ってきた。 ブログを始めてから初で、ネタ探しもあって、掘り出し物を探す目付きが、今までとは違うと思う 笑 全部で15冊、5,000円ちょい(値段交渉あり) 北海道・東北関係 アイヌ語 津軽の歴史 一番…

日本の謎の古代史(10)遮光器土偶 コラージュされた女性の守り神

我が家のシャコちゃん GW 九博のミュージアムショップで購入 異形(いぎょう)のもの 遮光器土偶は亀ヶ岡遺跡の地元では「シャコちゃん」と呼ばれている。津軽の木造(きづくり)駅に電車が来るとき、駅舎の巨大シャコちゃんの目が光り、子供たちが怖がるの…

古代妄想というニッチなブログでアクセス数を増やす試みを始めてみた【初心者の方向け】

ドラクエウォーク AR スライム 土偶戦士 ? Googleアドセンス一ヶ月の状況 = 100均で2品、消費税(10%)を付けて買えるぐらい はてなブロガーさんたちの記事を参照し、また、助けていただいたりで、アドセンスを始めてちょうど一ヶ月経過。 お世話に…

日本の謎の古代史(9)太陽の塔に刻まれた岡本太郎のダヴィンチコード 遮光器土偶 スリット目の意味を考える

前回からの続き。 万博「エキスポ70」、1970年、中学生だった自分は未来都市に夢中になり、何度も足を運んだ。中でも、太陽の塔が大好き。同じ時代を過ごした世代にはそういう人が多い。で、次のような記事を書いた。 www.zero-position.com www.zero-…

日本の謎の古代史(8)母なる神を信仰した東北・北海道 大文化圏 高度な古代文化のこん跡(4)

前回の続き。 縄文から弥生へ移行する時代で、北東北・南北海道エリアが気になる。 おそらく三内丸山(紀元前2000~3000年)の縄文文化を引き継ぎ、紀元前1000年以降も、持続して高度な文化があったと思う。 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世…

下鴨神社(1)賀茂御祖神社・新 七不思議 2019秋 京都 古代ミステリー旅行 朱の鳥居 赤椿が見ごろ

説明を文字起こしは記事末 下鴨神社の七不思議 境内・七不思議 赤椿 表参道沿い。ツバキの花の見ごろは長い。9~4月。落葉樹が多い糺の森の椿が咲くと森全体が赤く染まるように見える不思議 切芝 表参道沿い・中央(ヘソ)あたり。古代からの祭場。葵祭に先…

日本の謎の古代史(7)遮光器土偶 シャコちゃん考 高度な古代文化のこん跡(3)

前回の続き。 天理参考館の縄文時代コーナー(常設展示) 参考館の縄文時代・画期 紀元前300年まで *注意;参考館の縄文時代・画期は紀元前300年まで。ここで紹介する展示品は紀元前1000年~同300年の遺跡からの出土品。近年、紀元前1000年を…

日本の謎の古代史(6)津軽平野 亀ヶ岡・十腰内文化 高度な古代文化のこん跡(2)

岩木川 十三湖 前回の続き。 十腰内は「とこしない」 ***** Googleマップをみて、海退期(三千年前~二千年前)の津軽平野を想像してみよう。緑の濃い薄いで見る。 三千年前、海が最も深かった頃よりも4~5メートル海が浅くなり、現在の海岸線一帯(…

下鴨神社(番外)【祝】末社・雑太社 ワールドカップ 日本 アイルランドに逆転勝ち【ラグビー神社でこの際、優勝祈願】

下鴨神社 末社 雑太社(さわたしゃ)ラグビー神社 Giant-Killing(番狂わせ) とはもう云わせない いや~、勝ちましたね! ビッグな巨人(世界ランキング2位)のアイルランドに逆転勝ち! おめでとう!ラグビージャパン 2015ワールドカップ(イングラン…

日本の謎の古代史(5)北海道・北東北の縄文遺跡群 高度な古代文化のこん跡(1)

(注意)本記事は考古学の時代画期が難しい東北・北海道の内容のため、各地元の表現に沿って記述しています。例)亀ケ岡石器時代遺跡など。考古学の(新旧)画期の定説は本州中央・九州・四国のもので、沖縄、東北・北海道には、それぞれ独自の画期がありま…

物部さん考(13)古代祭祀としての鎮魂祭・玉の緒祭 十種神宝 布留遺跡と石上神宮より

(注意)天理参考館では弥生時代の始まりをBC300年としている(近年はBC1000年とする説が有力) 布留遺跡 祭場 復元 天理参考館の建物に入ったロビーフロアに、実際に出土した円筒埴輪(壺型埴輪)を使って、古墳時代の布留(ふる)の祭場が復元展示…

大阪市内・夕陽丘界隈 野生?サル出没騒動 万が一の「ナウシカ&ムツゴロウさん」的対処法 【古代話なし】

神戸モンキーズ劇場 縁(えにし)くん お彼岸の四天王寺さんで「猿回し」を観て、アップを考えていたタイミングだった。「古代妄想」という格調高いテーマの当ブログで扱うべきかどうか・・・激しい議論(馬と鹿)が交わされていた折、 古代なし・・・まぁい…

日想観 四天王寺の石鳥居にしずむ夕陽 神も仏もいる国で

四天王寺 2019年 秋分の日。あいにくの雲 先日の四天王寺さんのお彼岸のにぎわいの記事で、まじょまじょさん(id:eikoobasan)から「日想観」について、ご質問いただいた。 富士山の美しい姿を届けてくれる方で、ブログ更新を楽しみにしている人のひとりだ。…

お彼岸の四天王寺さん ツッコミどころ満載 「何でもありまっせ」カオスな「市」の賑わい

大阪・四天王寺さんの境内には、毎月太子さんの月命日(21日)に「お大師さん」の露店が出る。 ややこしいが「太子さん」は聖徳太子、「お大師さん」は弘法大師・空海さんだ。 中でも一番、賑わうのが春と秋のお彼岸の時期、各一週間。 毎月のお大師さんの…